PowerScale(former;Isilon)

ペタバイト時代に対応する最新世代の
PowerScaleプラットフォーム

PowerScaleは、元々Isilonと呼ばれるスケールアウトNASである。今回、リブランドしたこのPowerScaleについて特徴をまとめてみる。

元々、Isilonはパワフルなストレージでありながら、インストールや運用管理が容易であることが特徴であった。PowerScaleにおいても、基本的なアーキテクチャは変わらないようである。

確か、NetBSDベースのカーネルを搭載しており、そういう意味ではNetAppのONTAPもとも実装や方向性は異なるものの、老舗NASの一翼を担っていると思う。

さて、PowerScaleですが、データ容量も50PBを超える容量を提供できるため、極めて高い拡張性を持ち、必要な性能・容量に応じてノードを追加することにより拡張可能ですので、性能と容量をリニアに拡張できます。ストレージの自動階層化もサポートしていますので、データに応じて効率的なデータ配置が可能となっている。

高い性能と信頼性を提供する先進のアーキテクチャ

PowerScaleの各ノードは、2重化されたバックエンドネットワーク(InfiniBandもしくはEthernet)で接続され、専用OSによりひとつのクラスタとして運用が行える。ユーザーの利用が多い時には内部処理を抑え、利用が少なくなると自動的に処理を加速するためユーザーの使い勝手を妨げることがない。

複数同時障害にも耐える強力なデータ保護

PowerScaleは、一般的なストレージ保護技術(RAID5やRAID6)や、3 重コピーを伴うようなデータ保護形式ではなく、ノードを跨いだ分散ファイルシステムによるデータ保護形式を採用しています。システムによるデータ保護形式を採用しています。いわゆるイレイジャーコーディングに近い実装である。

オートバランス機能によりパフォーマンス/ データを最適化

PowerScale独自のファイル システムは設計不要で増設時には一般的なストレージの様に、ボリュームやRAID構成を考慮する必要がなく、増設時にデータは自動的に各ノード間に平準化されるため、利用効率の偏りも発生しない。
また分散して書込まれたデータのメタデータは専用のサーバーではなく、各ノードのデータ領域に保存することで高い信頼性を確保する。

データ移行作業が不要に

PowerScaleのファイル システムは異なる世代や異なるシリーズのノード、容量が異なるノードもひとつのボリュームで管理が可能であり、増設の際にサービスの停止やマウント ポイントの変更は発生しない。
旧世代モデルから次世代モデルへのデータ移行もシステム運用を継続したまま「データの再配置」で完了し、旧世代モデルの撤去時にもサービスの停止は不要ですので、データ移行時の手間を大幅に軽減し、システムの長期運用も可能にしている。

クライアントは、Ethernet接続(1GbEまたは10GbE/25GbEまたは40GbE/100GbE)を使用してPowerScaleに接続でき、NFS、SMB、FTP、HTTPといったプロトコルを利用できます。高速なファイルアクセス環境をSANに比べてシンプル、低価格で導入可能である。
データ分散、データ移行などの処理は、高速、低遅延のInfinibandまたはEthernetスイッチを使った内部通信ネットワークで行われるため、サービネットワーク側のトラフィックに影響を与えない。

Infinibandによるインターコネクトだが、スケールアウト台数が大きくなると、一貫性を保持するためのオーバーヘッドは無視できないと思われ、方式設計時には注意が必要かと思う。