
最近のストレージメーカーは、従来の老朽化対策から、継続利用を前提とし、保守サービスの延長で、長期間のストレージ利用をサービスしているところが増えてきている。
「従来の老朽化更新と比較して、ストレージの総所有コスト(TCO)を 50% 以上削減でき、柔軟なアップグレードや拡張が可能で、継続的イノベーションによって最新の状態が維持されるストレージを提供する」と、本サービスを初めて業界でリリースしたピュア・ストレージ社のコメントもあり、大きくは、TCO削減と、データ移行のリスク、初期投資の保護といったところがポイントのようである。
また、HPE社では、GreenLakeという独自のITサービスを提供している。
現在はこれまで以上に迅速に動いて変化に素早く適応する必要があります。HPE GreenLakeはアプリケーションとデータにどこでもクラウドのエクスペリエンスを提供し、革新的なテクノロジーを迅速に導入して運用を簡素化できるようにします。HPE GreenLakeは、エッジ、コロケーション、データセンターでオンプレミスのワークロード向けに、従量制課金モデルでフルマネージドのパブリッククラウドサービスとInfrastructure as a Serviceを提供します。
新しい直感的なソフトウェアプラットフォームであるHPE GreenLake Centralを使用すれば、サービスを迅速に展開し、コストとコンプライアンスに関する有益な情報を取得し、ハイブリッド環境全体の管理を簡素化できます。あらゆるビジネスニーズで必要とされるサービス向けのセルフサービスのソフトウェアプラットフォームにより、ビジネスユーザーと開発者を従来の待機時間から解放します。
HPE GreenLakeは、お客様が必要とする場所で、お客様に代わってHPEがas-a-Serviceですべてを管理する、先進的なクラウドエクスペリエンスを提供します。
これは、従来のファイナンスとは異なり、HPE社がお客様向けにストレージ環境やサーバ環境をすべてサービス提供することで、保守サービスを超えたユーザエクスペリエンスにフォーカスしたサービスといえる。
これらの動きに通底しているのは、「as a Service」の視点である。
「as a Service」の世界では、手元に物理的なモノがあるか、ないかということはそれほど重要なことではない。ファイナンス、バランスシートなど財務面でのメリットはあるかもしれないが、ここでは割愛する。
従来の管理者がIT機器を買ってセットアップし、エンドユーザにそれらを配り、初めてエンドユーザが利用してきたという仕組みから、サービス提供事業者がIT機器を直接エンドユーザに提供し、利用できるようにする。これこそ、IT機器がサービスとしてエンドユーザに提供された状態と言える。
そしてこれにより、劇的にアップデートのサイクルを短くし、利用者へ提供される価値を短期間で向上させていくことが可能になる。ソフトウェアのアップデートが大変なので、管理者によってなかなかアップデートしてもらえず価値の向上が滞っていたように、例えばIT機器のリプレース作業も大変であるがゆえになかなかリプレースされず、老朽化が激しく最新に比べて低性能なIT環境が長く使われ、利用者(エンドユーザ)の生産性を落としているという現実があります。特に日本は、グローバルやアジアに比べても、IT、とりわけPCのリプレースサイクルが長いと言われている。
そして、継続的に価値の向上が図れると、エンドユーザのメリットにそのまま直結する。また、特に進化のスピードが早いIT機器には、このas a Serviceの視点で、エンドユーザの利便性と生産性向上を図っていくということは理にかなっていると思う。
前回の製造業におけるサブスクリプションについてのブログもそうであるが、サブスクリプションの究極の目的、as a Serviceの真の価値は、利便性の先にあるテクノロジーとユーザの進化スピードをできる限り合わせていくことではないかと思う。