![[VMware] vSAN HCI Mesh](https://virtualhive2.files.wordpress.com/2020/11/vsanhcimesh-01-2.png?w=640&h=286)
vSAN 7.0ではVUMの後継であるvSphere Lifecycle ManagerによるESXiライブサイクルの一元管理やNVMeデバイスのホットプラグ、32TB物理ディスクのサポート、vSphere with KubernetesのCNS(Cloud Native Storage)、vSANネイティブファイルサービス(vSAN File Services)などが紹介されました。
10月にリリースされましたvSAN 7.0 U1では更に新しい機能が追加され、既存機能に対しても大きく改善が行われました。
今日は、vSAN 7.0 U1で新たに紹介されたvSAN HCI Meshについて紹介したいと思います。
vSAN HCI Meshは、簡単にいうと複数のvsanデータストアを利用できるようにする機能となります。基本的にvsanデータストアは、vSANクラスタあたり一つです。他にFCやiSCSIなど外部ストレージを利用することはできますが、それはあくまでもESXiが通常のストレージに接続するもので、いわゆるオブジェクトストレージとしては、vSANクラスタ:vsanデータストアは、1:1の関係です。この1:1の関係を1:n(正確には5)にできる機能がvSAN HCI Meshです。構成やマウントするvsanデータストアはハイブリッドでもAll Flashでも構いません。
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vSANのtech noteに公開されている上図のとおり、間にあるvSANクラスタのvsanデータストアを左右のvSANクラスタがリモートからマウントすることによって左右のvSANクラスタは複数のvsanデータストアを利用できるわけです。 😉 vsanデータストアを他のvSANクラスタに提供する側を”Server Cluster”、マウントして利用する側を”Client Cluster”になります。
ん?そもそもなんでそんなことする?vSANの特徴ってリニアなスケールアップとスケールアウトでしょ?ディスク増やしてホスト増やせば良いんじゃないの?… ごもっともです…
VMwareでは、このvSAN HCI Meshの利用シーンとして、
- アプリケーションのリファクタリングにより、ログ用として大量のストレージが必要な場合
- 新事業分析のため、コンピュートリソースの過度な消費が見込める場合(コンピュートリソースに比べるとストレージリソースはそれほど使わない?)
- 買収合併により、新ビジネス部門に対するストレージ要件の予測が難しい場合
- NSXなどによるネットワーク仮想化導入によって、レガシークラスタリソースを統合する場合
を想定しているようです。(自分はそのように理解しました…)要は、コンピュートリソースとストレージリソースの分離し、システムやアプリケーションに合う柔軟な環境が構成できることがこの機能の一番のメリットです。例えばコンピュートリソースでは、ディスクをHDDにすることで差分のコストを、より高性能なCPUとメモリに当てる。ストレージリソースは、CPU、メモリよりディスクを優先したAll Flashとし、vSAN HCI Meshを構成するなんていうのもできちゃったりするわけです。
vSAN HCI Meshの構成は非常に簡単です。


Client Cluster側の「データストア共有」→「リモートデータストアのマウント」からマウントしたいリモートデータストアを選択するたけです。

リモートデータストアを追加する際には、きちんと互換性チェックまでしてくれます。

追加したリモートデータストアは、Client Cluster側の「データストア共有」で管理することになりますが、これはあくまでもClient Cluster側でのマウント関連となります。本来のリモートのvsanデータストアはServer Cluster側に行います。
Client Clusterから仮想マシンを作成してみます。


コンピュート用クラスタとストレージ用クラスタを分けて指定することができます。

もちろんデータはServer Cluster側のあります。
で、このvSAN HCI Meshを構成するためには、Server Cluster、Client Clusterともに単一のvCenterのデータセンタに配置されている必要があります。異なるvCenter間または、拡張リンクモードでは構成できません。またServer ClusterとClient Clusterは10Gb以上のネットワークで接続されていることを推奨しています。(vSANのtech noteでもend-to-endで25Gbを推奨してます)
また構成にあたっては、次の内容も考慮が必要です。
- Client Clusterは、最大5つのデータストアをマウントできます。
- Client ClusterでもvSANデータストア構成が必要です。
- Server Clusterは、最大5つのClient Clusterまでデータストアを提供できます。
- Server Cluster、Client Cluster合わせて64ホストを超える構成はできません。
- 仮想マシン作成の際に、vdmkファイルなどを複数のvsanデータストアに跨いで配置することはできません。
- 拡張クラスタや2ノードクラスタはサポートされません。