IonQ、1原子を1量子ビットとする“イオントラップ”型量子コンピュータ

 IonQは2018年11日(米国時間)、米サンフランシスコで開催されたカンファレンス「Quantum for Business」にて、単一の原子に情報を格納する量子コンピュータの開発に、市場で初めて成功したと発表した。2019年に政府機関や一部企業向けにプライベートベータテストを開始する予定。

 同社のシステムは「イオントラップ型」と呼ばれる方式を採用しており、真空中に浮遊するイッテルビウムの原子を各量子ビットとして扱い、レーザービームを用いて情報を各原子に蓄積、処理、読み出しを行なう。

 競合企業の量子コンピュータでは、絶対零度付近まで冷却したシリコンチップ上に量子ビットを生成する方式を採用している。こちらはイオントラップと異なり、半導体産業の製造技術の恩恵を受けられると言われているが、IonQではそれらのコンピュータは不安定で計算精度が低いことが証明されているとしている。

 イオントラップ型は、技術的ハードルは高いが、理論的にはより強力なものとされており、今回IonQの開発した量子コンピュータシステムは、ベンチマークの結果、容量と計算精度など重要な要素で、既存のすべての量子コンピュータを上回る性能を実現しているという。

 同社のシステムは160qubit(量子ビット)を備え、79qubitの演算を達成。論理演算精度の指標となる「ゲート忠実度」は、13qubitの構成において1qubitおよび2qubit両方の操作で平均98%以上を記録し、既存の市販量子コンピュータよりも、長い計算を処理できるとする。

 Bernstein-Vaziraniアルゴリズムを使用したベンチマークでは、10bitのオラクル(0~1,023の値)による試験を実施し、量子コンピュータではない従来コンピュータの場合、0.2%の成功率だったのに対し、IonQシステムは73%の成功率を記録したとしている。