Kubernetes 1.23が正式リリース。IPv4/v6デュアルスタック、水平PodオートスケーラーAPIv2が安定版、Kubelet CRI APIがベータ版になど

コンテナオーケストレーションを実現するKubernetesの最新版となる「Kubernetes 1.23」正式版がリリースされました

Kubernetes 1.23では、Kubernetes 1.15で登場したIPv4/IPv6デュアルスタックが安定版となり、ホリゾンタル(水平)なPodスケールアウトとスケールインを実現するHorizontalPodAutoscaler APIのバージョン2が安定版となりました。

Kubelet CRI(Container Runtime Interface) APIはベータとなり、多くの場面でデフォルトになりました。次のKubernetes 1.24ではDockerとの互換性を提供していたdockershimが削除され、Kubelet CRIが正式版になる予定で、CRIに対応したコンテナランタイムのみがサポートされるようになります。

また、成果物としてのソフトウェアがその開発工程においてサプライチェーンにおいて安全性が保たれているかどうかを示す Supply-chain Levels for Software Artifacts(SLSA:サルサと発音するようです)において、Kubernetesは4つあるレベルのうちの最も基本的なレベル1に適合したことがKubernetes 1.23で示されました。[

多くのクラウドベンダなどでKubernetesは重要な基盤ソフトウェアの一部として組み込まれていますので、サプライチェーン攻撃に対して安全であることを示すようになったのですね。今後、SLSAへの適合を示すソフトウェアは増えていきそうです。

ちなみに今回のリリーステーマは「The Next Frotier」。これはKubernetes 1.23における改善や新たな機能追加を表現しており、またリリースチームメンバーのコミュニティの成長などをスタートレックの歴史として参照したものだと説明されています。なのでロゴ(上記のツイートに示されたサムネイル)もスタートレック風のものになっているようです。