新興企業を中心とした証券取引市場を運営する米Nasdaqは、2022年からオプション取引市場のNasdaq MRXを皮切りに、証券取引市場を段階的にAWS上に移行していく予定であることを、AWSのイベント「AWS re:Invent 2021」で明らかにしました(Nasdaqのプレスリリース)。

米Nasdaqは2018年にAmazon S3上にデータレイク基盤を構築し、データレポートティング機能などをAmazon Redshiftを用いて実現するなど、AWSのサービスの採用を進めてきました。
そして今回、AWSと協力して取引市場そのものをAWSのクラウド上へ移行していくビジョンを正式に発表しました。

AWS Outpostsで証券取引向けローカルゾーン構築
今回の発表では、NasdaqはAWSがオンプレミス向けソリューションとして提供しているAWS OutpostsをNasdaqのコアネットワークに組み込むことで、ニュージャージーにある同社のプライマリデータセンターに対して超低レイテンシで接続されるエッジコンピューティングを実現する計画が含まれています。
このソリューションはAWSとNasdaqが協力して設計する予定で、AWSにとっては証券市場向けとして最初のプライベートなAWSローカルゾーンになります。

さらに両社はNasdaqの金融犯罪対策、データ分析、取引市場基盤のソフトウェアソリューションにおいて、AWSのクラウド機能を活用する新たな方法を模索することについても協力するとしています。