GoogleはDart言語によるマルチプラットフォーム対応のフレームワーク「Flutter」の最新版となる「Flutter 3.3」の正式リリースを発表しました。
Flutterは今年の5月にmacOSとLinuxアプリの開発が正式版となった「Flutter 3」が登場し、iOS/Android/Windows/macOS/Linuxのマルチプラットフォーム対応が正式に揃ったところです。
参考:[速報]「Flutter 3」登場、FlutterによるmacOSとLinuxアプリ開発が正式版に。Macのユニバーサルバイナリにも対応
今回のFlutter 3.3では、おもにパフォーマンスの改善、テキスト周りの改善などが行われています。
iPadでの手書き入力、トラックパッド対応など
テキスト周りでは、Webアプリケーションのマウス操作で複数行のテキスト選択を可能にするSlectionAreaウィジェットが追加されました。

iPad OSでApple Pencilを利用することで可能になる手書き入力機能「スクリブル」にも対応。

さまざまなOSにおいてトラックパッドでの入力にも対応しました。
画像読み込みスピードの向上、iOSでの高速描画レイヤ
性能面では、画像を読み込む際のスピードが向上しました。これまで画像読み込み時にFlutter内部で行われていた複数回のデータのコピー処理をなくし、ガベージコレクションへの負荷が減ったことが改善の要因と説明されています。開発チームのベンチマークでは最大で2倍高速になったとしています。
またiOSのMetalやAndroidのVulkanといったグラフィック高速表示のためのハードウェアアクセラレーションをフルに活用する「Impeller」の試験的な実装も始まりました。
Impellerを利用すると、60HZかそれ以上のリフレッシュレートでアニメーションなどが描画できるようになり、よりスムーズなUIの構築が期待できます。
Flutter 3.3ではiOS版のImpellerをフラグによって有効化できるようになっています。