HashiCorpは、10月4日から3日間開催されたイベント「HashiConf Global 2022」において、Terraformの新機能としてノーコードでTerraformからインフラをプロビジョニングできる「No-Code Provisioning for Terraform Cloud Business」などを発表しました。
TerraformはオンプレミスやAWSやMicrosoft Azureなどのクラウドをはじめとするさまざまなインフラのプロビジョニング情報を特定のインフラベンダに依存しない形式で、コードとして記述し適用できる、いわゆる「Infrastructure as Code」(IaC)を実現する代表的なソフトウェアの1つです。
Terraformでインフラをプロビジョニングするには、インフラを定義するためのコードをHashiCorp Configuration Language(HCL)と呼ばれるプログラミング言語で記述する必要がありました。
コード不要にするNo-Code-Ready Module
今回ベータ公開された「No-Code Provisioning for Terraform Cloud Business」(以下、No-Code Provisioning)は、このプログラミングをすることなく、インフラのプロビジョニングを可能にする機能です。
No-Code Provisioningでは、Terraform CloudとTerraform Enterpriseに導入されたプライベートレジストリによって信頼できるモジュールを公開する機能を用います。
ここに「No-Code-Ready Module」と呼ばれるノーコード用に新しく定義されるモジュールを保存すると、ユーザーはこのモジュールを組み合わせ、必要な変数を入力し、新しいワークスペースに直接デプロイすることでコードを書くことなくセルフサービスでプロビジョニングを行うことができるようになります。

インフラが当初の状態を維持しているかをチェック
さらに「Continuous validation for Terraform Cloud Business」と呼ばれる新機能もベータ公開されました。
これはTerraformでプロビジョニングしたインフラが、その後もその状態をきちんと維持しているかどうかを継続的に確認する機能です。
具体的には、Terraformの設定やモジュールに事前(pre)条件や事後(post)条件でアサーションを追加することで、アサーション付きの設定やモジュールがつねに当初の構成通りかを継続的にチェックすることができます。問題が発生した場合にはユーザーに通知されます。
