オラクルは米ラスベガスで開催中のイベント「Oracle CloudWorld 2022」において、Oracle Cloudと同等の機能を備えたハードウェアをシングルラックのサイズで実現できるよう開発を進めていることを明らかにしました。

オラクルはすでに、Oracle Cloudと同等の機能をオンプレミスへ持ち込める「OCI Dedicated Region」を2020年から提供しており、今年6月には当初50ラック相当とされていたハードウェア構成を最小で12ラックまで縮小して対応することを発表していました。

参考:Oracle Cloudのリージョンを社内に持てる「OCI Dedicated Region」、最小12ラック、年間1億3000万円からの対応をオラクルが発表
今回、同社はこれを1ラックにまで縮小することに取り組んできており、成果が上がりつつあることを明らかにしました。
「私たちのビジョン、そしてゴールは、パブリッククラウドの全ての機能をシングルラックで可能にすることだ」(Our vision and our goal, is to be able to take everything available on our public cloud and put it into a sigle rack)(オラクル クラウドインフラストラクチャ担当エグゼクティブバイスプレジデント Clay Magouyrk氏)
Magouyrk氏は、シングルラックでOracle Cloudの機能が実現できるようになると、例えば街ごとにクラウドのリージョンが必要になった場合、エッジとコアの全てで同じサービスを提供する必要が生じた場合など、さまざまな場面に対応できるようになると説明し、これまでになかったクラウドサービスの展開ができるようになるとしました。
シングルラックで小さなクラウドのリージョンを実現するサービスは、すでにAWSがAWS Outpostで提供しており、マイクロソフトやGoogleもパートナー企業とともにAzure HCI StackやGoogle Distributed Cloud Edgeなどで提供しています。オラクルはこの分野でも、先行する3社に追いつくための製品開発を進めていることになります。
参考:オンプレミス版AWSの「AWS Outposts」、24インチ幅の専用ラックはキャスター付き、故障には部品交換で対応
参考:Google Cloud、分散クラウドを実現する「Google Distributed Cloud Edge」正式リリース。いわばGoogle Cloud版のAWS Outposts