WebAssemblyでクラウドネイティブを実現するクラウドサービス「Fermyon Cloud」がオープンベータで登場

WebAssemblyによるクラウドネイティブなアプリケーションの実現を目指すFermyonは、新たなクラウドサービス「Fermyon Cloud」のオープンベータを発表しました

FermyonはWebAssemblyに特化したスタートアップです。今年(2022年)3月に、WebAssemblyを用いたイベントドリブンなWebアプリケーションやマイクロサービスアーキテクチャのアプリケーションを実現するためのSpinフレームワークをリリースしました

Spinフレームワークを用いると、RustやGo、Python、Ruby、AssemblyScript、Grain、C/C++などの言語でHTTPリクエストに対応したインターフェイスを備えたサービスを記述し、WebAssemblyにコンパイルし、イベントドリブンに実行可能な実行環境などを構築できます。

Spinを用いたアプリケーションのためのプラットフォームとして、SpinやSpin CLI、バージョン管理、Nomadスケジューラ、全体の管理コンソール画面などを備えた一連のソフトウェア群である「Fermyon Platform」も同社はリリースしています。

figFermyon Platformの機能

今回オープンベータとなった「Fermyon Cloud」は、このFermyon Platformを同社がクラウド上でマネージドサービスとして提供するものです。

Fermyon Cloudにより、Spinを用いたWebAssemblyによるアプリケーションの開発環境や実行環境を、ユーザーは手間なくすぐに使えるようになります。

クラウドネイティブにおけるWebAssembly利用の最先端

現在、クラウドネイティブなアプリケーションの開発にはDockerコンテナを用いることが普通ですが、Dockerコンテナの代わりにWebAssemblyを用いることに注目が集まろうとしています。

WebAssemblyはコンパイル済みのバイナリを実行するため、Dockerコンテナと同様かそれ以上に迅速な起動と実行が期待でき、アプリケーションごとに空間がきちんと分離されるセキュアな構造も備え、さらに生成されたバイナリはクロスプラットフォームで実行可能という利点もあります。様々なプログラミング言語にも対応しています。

これをDockerコンテナのようにサービスの器として利用することは自然なアイデアでしょう。

そしてすでにこのアイデアを実現する技術として、KubernetesにはWebAssemblyをノードとして用いることを可能にするKrustletという仕組みがあります。Fermyonの創業者兼CEOであるMatt Butcher氏はこのKrustletの開発者でもあり、すなわちWebAssemblyをサービスの容れ物として使う技術の面で先端を行く人物の一人です。

そのMatt Butcher氏が率いる同社が今回発表したFermyon Cloudは、クラウドネイティブにおけるWebAssemblyの利用という注目の分野で何が起ころうとしているのか、ウォッチする上で外せないプロダクトといえそうです。